自己破産 ⇒父親の経営する会社の連帯保証人となり、多額の債務を負う。

〈事案〉

(実際の事案を変更しています)

相談者はイベント会社に勤務する会社員でしたが、父親に頼まれて、父親が経営するA社が銀行から受けた融資について連帯保証人となりました。

A社は複数の飲食店を経営しており、店舗開業時の内装費や運転資金のため、総額2000万円の融資を受けており、相談者はその融資について連帯保証人になっていました。

A社の売上げが低迷し、食材や飲料の仕入代金、人件費や店舗賃料の支払いが経営を圧迫して、A社は銀行への返済を滞るようになりました。
そのため、連帯保証人である相談者に督促状が届くようになりました。

また、相談者自身も会社員としての接待交際費などでクレジットカードを利用しており、借入額が約300万円に及んでいました。

相談者の勤務先での退職金見込み額は約300万円であり、生命保険の解約返戻金の見込み額も約30万円ありました。

相談者はA社が受けた融資の連帯保証債務を支払える見込みがないため、自己破産の相談に来られました。

・債権者数            7社
・総債務額       約2300万円
    (うち連帯保証債務2000万円)
・財産       退職金約300万円
  (1/8評価額は約37万5000円)
       保険解約返戻金約30万円


〈結果〉

・自己破産(管財)の申立てにより免責決定
・【債務  約2300万円 ⇒ 0円】
・破産申立てから免責までの期間  約3か月


〈弁護士の対応、解決のポイント〉

相談者の債務は、連帯保証債務も含めて約2300万円に及んでおり、A社の代わりに支払える見込みもないので、自己破産を選択しました。

相談者の債務の大部分は、父親の経営するA社が受けた融資の連帯保証債務ですが、A社の滞納については相談者に落ち度はないことを前提に申立て書類を作成しました。

相談者は会社員として勤務しており、相談時点の退職金見込み額が約300万円(1/8評価額は約37万5000円)であり、保険解約返戻金の見込み額も約30万円ありました。

そのため、同時廃止の財産基準はオーバーしており、破産管財人が付く管財手続きで破産申立てをしました。

管財手続きでは自由財産は99万円まで認められますので、相談者の退職金見込み額(退職金は1/8に評価します)と保険解約返戻金見込み額は問題なく自由財産として認められました。

また、相談者自身も接待交際費のためにクレジットカードを利用していましたが、仕事上やむを得なかった事情があり、浪費の程度は軽いことを丁寧に説明して、免責を認めてもらいました。


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