自己破産 ⇒認知症の進行により成年後見制度を利用して、破産申立をした事例

〈事案〉

(実際の事案を変更しています)

相談者は実家の家業である飲食店で働いていましたが、飲食店の経営不振のため、給料を十分に受け取れず、生活費の不足に充てるためにカードローンの利用を増やしていきました。

また、家族とともに相談者も借入れをして、飲食店の負債を返済したり、飲食店の家賃や仕入代金などの運転資金の支払いをするようになりました。

相談者は認知症が進行し、飲食店で働くことができなくなりました。そして、相談者は家庭裁判所で成年後見開始審判を受け、相談者のご長男が成年後見人に選任されました。

相談者は家族のサポートを受けて生活をするようになりましたが、無職で年金生活であるため多額の借金の返済ができず、成年後見人であるご長男が自己破産の相談に来られました。
・債権者数            5社
・総債務額        約500万円
・財産      預貯金  約20万円   


〈結果〉

・自己破産の申立てにより免責決定
・【債務  約500万円 ⇒ 0円】
・破産申立てから免責までの期間  約3か月


〈弁護士の対応、解決のポイント〉

相談者は認知症の進行によりご自身の借金の状況を十分に理解できていませんでした。そのため、相談者の成年後見人であるご長男から依頼を受ける形で、自己破産の申立てを受任しました。

相談者の債務は約500万円に及んでいました。他方で、相談者は認知症の進行により就労は困難であり、年金収入だけでは借金を返済することができないことは明らかでした。

そのため、相談者の自己破産については、裁判所から速やかに自己破産開始決定(同時廃止決定)・免責決定を受けることができ、相談者は借金を免れることができました。


成年後見制度とは?

成年後見制度とは、認知症、 知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が不十分である方(被後見人)のために、成年後見人が被後見人をサポートして、身上監護や財産管理を行う制度を言います。

判断能力が不十分な方が借金問題を抱えている場合、成年後見人を家庭裁判所で選任して、借金問題を解決することが考えられます。

成年後見人は、被後見人の法定代理人として、被後見人の自己破産の申立てをしたり、弁護士に被後見人の自己破産を依頼することができます。

尚、成年後見よりも判断能力の低下の程度が軽い保佐・補助の場合にも、保佐人・補助人は家庭裁判所から代理権付与の審判を受けた上で、被保佐人・被補助人のために、自己破産の申立てを進めることができます。

認知症などの症状のため、判断能力が不十分な方の自己破産については、自己破産や成年後見制度に詳しい弁護士に相談してみるといいでしょう。


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