自己破産に強い弁護士とは?|おすすめの弁護士の選び方・探し方、司法書士との違いを徹底解説

自己破産について弁護士に相談したいけど、弁護士になじみがなく、誰に頼めばいいのかわからないという方はたくさんいらっしゃると思います。弁護士に相談するのは一般の方にとって心理的なハードルが高いものです。

失敗せずに自己破産の手続きを終えるためには「自己破産に強い弁護士」に依頼することが重要です。

自己破産などの債務整理業務をあまり扱っていない弁護士に依頼した場合、余計な手間がかかったり、期待するような解決には至らなかったりすることもあり得ます。

そこで、この記事では、自己破産に強い弁護士を選ぶ際のポイントや弁護士の探し方について詳しく解説していきます。

<目次>
・自己破産に強い弁護士を選ぶ際の8つのポイント
 ・自己破産の経験・実績が豊富
 ・各地の裁判所の運用に精通していること
 ・お住まいに近い弁護士事務所であること
 ・無料相談に対応していること
 ・費用が明確で、後払いや分割払いもできること
 ・自己破産のメリット・デメリットを説明してくれること
 ・相談に親身になって対応してくれること
 ・自己破産の対応が早いこと
・自己破産に強い弁護士の探し方
 ・知人の紹介で弁護士を探す
 ・公共団体や弁護士会の無料相談会を利用する
 ・法テラスの無料相談を利用する
 ・インターネットで弁護士を探す
・弁護士と司法書士の違い
 ・司法書士は書類作成代行であり、代理人にはなれない
 ・自己破産費用が総額で高くなるケースもある
・自己破産に強い弁護士のまとめ


自己破産に強い弁護士を選ぶ際の8つのポイント


自己破産が得意な弁護士を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか?
ここでは、自己破産に強い弁護士の見分け方や弁護士を選ぶポイントについて解説します。

「自己破産に強い弁護士」とは、自己破産などの借金問題の解決に注力している弁護士のことを指します。
自己破産によって借金生活から脱出するためには、自己破産に精通した弁護士に依頼することが理想的です。

自己破産に強い弁護士を見分ける際には、次の8つのポイントを重視すべきしょう。


自己破産の経験・実績が豊富



弁護士なら、すべての分野に精通しているというわけではありません。
それぞれの弁護士には、交通事故や離婚問題、相続問題など、得意な分野がそれぞれ異なります。

自己破産は裁判所での厳格で複雑な手続きであり、準備するべき書類も多岐に渡ります。そのため、自己破産の経験・実績が豊富な弁護士に依頼すれば、不備や失敗もなく、スムーズに自己破産の手続きを進めることができるでしょう。

また、借金問題を抱えている場合、自己破産以外の解決方法が望ましい場合もあります。
借金問題に注力している弁護士は個人再生や任意整理なども提案してくれるので、相談者に合った借金解決方法が見つかります。

インターネットで弁護士を探している場合、弁護士の多くはホームページを開設しており、注力分野・得意分野を掲載しています。

自己破産に強い弁護士についても、ホームページで自己破産の経験や実績などを確認することができます。また、自己破産や借金問題の相談件数や解決実績を弁護士に直接確認してもいいでしょう。


各地の裁判所の運用に精通していること



自己破産の手続きは、原則としてお住まいの地域の裁判所で行う必要があります。
手続きのおおまかな流れはどこの裁判所でも大きくは変わりませんが、手続の運用は裁判所によって異なることがあります。

例えば、「破産しても手元に残しておける財産の基準」や「申立時の面談の有無」といった点について、各地方裁判所で自己破産の運用ルールが異なることがあります。


このような裁判所ごとの運用の差異は、法律の知識だけではなく、それぞれの地方で自己破産の手続きに携わった経験が重要になります。
裁判所ごとの運用ルールを十分に理解していることで、スムーズに自己破産を進めたり、不測の事態を回避したりすることが可能となります。

ネットで「全国対応できる」と謳う事務所がよくありますが、例えば、東京で集中管理して事務員が対応しているような事務所は地方ごとのローカルルールに精通していない可能性もあります。

そのような事務所に依頼すると、各地の裁判所のローカルルールを理解していないため、自己破産の手続きがスムーズに進まなかったり、自己破産が望ましいのに安易に任意整理を勧められることがあることも否定できません。

よって、自己破産を依頼する弁護士を選ぶ際には、対応地域の広さではなく、お住まいの地域の裁判所の運用に精通している弁護士であるかを確認した方がいいでしょう。


お住まいに近い弁護士事務所であること



自己破産を依頼した場合、弁護士と面談で打ち合わせすることが一般的ですので、なるべくお住まいに近い弁護士に相談することをおすすめします。

全国対応を謳う事務所もありますが、やはり依頼をする弁護士には、実際に会って相談・打合せをすることが望ましいでしょう。
弁護士会の規程でも、債務整理に関するご相談は原則として直接面談を行い受任するよう定めています。

また、自己破産手続きの運用は各地の裁判所によって異なることがありますので、お住まいの地域の裁判所の運用に精通している弁護士に依頼する方が安心です。

自己破産の際は破産者の住所地の裁判所に申立をしますので、弁護士事務所が遠方であれば、裁判所までの弁護士の日当や交通費負担も高額になります。

以上を踏まえると、自己破産は、お住まいに近く、直接事務所に相談に行ける範囲の弁護士事務所に依頼することをおすすめします。


無料相談に対応していること



自己破産を弁護士に依頼する際は、実際に相談するまでは「親身に相談に乗ってくれるか?」、「自分との相性はどうか?」、「自己破産の費用の見積りはどれ位か?」などははっきりとは分からないと思います。

そのため、まずは自己破産の無料相談に対応している事務所に相談することが望ましいでしょう。
無料の範囲内であればお金はかからないので、まずは気軽に相談してみましょう。

無料相談してみて、弁護士との相性を見極め、自己破産の見通しや費用について納得してから、弁護士に依頼すべきです。
無料相談時に「弁護士の説明に納得できない」、「この弁護士は合わない」と思ったら、依頼しなければ費用もかかりません。

まずは気軽に試せる無料相談を利用しましょう。


費用が明確で、後払いや分割払いもできること



弁護士に自己破産を依頼する際は、料金体系が明確で、初回相談時に費用についてしっかりと説明をしてくれる弁護士事務所を選びましょう。

自己破産の経験・実績が豊富な弁護士であれば、無料相談の中で相談者から聞いた内容や事案の複雑さなどを踏まえて、自己破産の費用について明確に説明してくれると思います。

お金に困って弁護士に相談する以上、費用が高すぎる弁護士は避けたいでしょうし、
あとから追加料金を請求されないかなども確認しておく必要があります。

初回無料相談を実施している弁護士も多いため、いくつかの弁護士事務所の無料相談を利用し、自己破産の費用の見積もりを複数確認してもいいでしょう。

また、自己破産に注力している弁護士はお金に困っている依頼者の事情をよく理解しているので、後払いや分割払いに対応してくれるケースがあります。
後払いや分割払いができれば、手元にまとまったお金がなくても自己破産を依頼することができ、月々の負担を軽減することができます。

最初の相談の際に、自己破産費用について後払いや分割払いができるかについて確認してみるといいでしょう。


【法テラスの利用について】

「自己破産の費用はわかったけど、そんな金額は払えない。」
「分割で払う方法はないの?」
という方は、法テラスの民事法律扶助を利用することを検討するといいでしょう。

法テラス(日本司法支援センター)とは、国によって設立された法的トラブル解決・相談窓口です。

法テラスのサービスとして、弁護士費用の立替払い制度があります。自己破産などの多重債務の相談における利用が最も多いとされ、一般的なやり方です。

弁護士に自己破産の手続きを依頼した場合、書類作成や手続きの代理などに費用がかかります。法テラスを利用すれば、利用者に代わって法テラスが弁護士に費用を支払い、利用者は法テラスに分割して費用を返済することができます。

生活保護を受けている方や、生計が困難であり、将来もその資力を回復する見込みに乏しいと認められるときは、立替金の全部又は一部の支払の免除を受けられる場合があります。

尚、法テラスは経済的に困窮し弁護士費用を準備することが難しい方のために、弁護士費用の立替払いを行っていますので、法テラスの立替払い制度を利用するためには、申込者の資産の有無や収入の金額について審査があります。

どうしても自己破産のための弁護士費用が払えない人は法テラスの立替払い制度の利用を検討してみるといいでしょう。

※参考:法テラスの利用の条件はこちら


自己破産のメリット・デメリットを説明してくれること



自己破産をすると、「借金の返済義務を免除される」(「免責(めんせき)」といいます)という大きなメリットを受けられます。

この借金の返済義務を免責してもらうために、自己破産するのが一般的です。
裁判所に許可されて免責を受けることで、債権者は給料の差し押さえや、取り立てができなくなり、破産した人の借金がなくなります。

そして、破産した人は今までの債務から解放され、新たな社会生活をスタートさせ、人生をやり直すことができます。

一方で、自己破産をすると「官報に氏名住所が掲載される」、「一部の職業資格は制限を受ける」というデメリットもあります。
手持ちの財産については、法律で認められた自由財産の範囲内では手元に残すことができますが、それを超える財産は手元に残せず、失うことになります。

自己破産を依頼する人のライフスタイルによっては、意外なところで強い制約を受けることもあります。

自己破産における一般的なメリット・デメリットは勿論のこと、相談者は「自分の場合のメリット・デメリット」を詳しく知りたいと思います。

自己破産に強い弁護士は、相談者の個別の事情をお聞きして、自己破産の一般的なデメリットだけではなく、個別のケースで考えられるリスクもきちんと説明してくれます。


相談に親身になって対応してくれること



自己破産手続きでは、弁護士としっかりコミュニケーションを取って、弁護士と相談者の間で信頼関係を築くことが大事です。

そのため、相談者の不安や質問を真剣に受け止めた上で、親身になって話を聞いてくれる弁護士に依頼することが望ましいでしょう。

自己破産のデメリットや相談者にとって不利益なこともきちんと教えてくれているか、対応を事務員任せにしていないか、自分との相性なども確認しておくべきです。

自己破産や債務整理の相談にあたっては、その方の現在の状況(家計収支、家族構成、借金の額、財産の有無)や、借金をしてしまった原因や経緯などを正確に把握しなければ、最適なアドバイスもできません。

そのため、相談者の心情を理解しつつ、必要な情報を相談者から適切に聴き取って、自己破産の見通しや何を準備すべきかについて、親身になって説明や提案をしてくれる弁護士に依頼すべきでしょう。


自己破産の対応が早いこと



自己破産の対応が早いことは自己破産に強い弁護士の条件と言えます。

自己破産を依頼すると、まず弁護士は各債権者に受任通知を発送します。
受任通知を受領した債権者(貸金業者)は、その後すべての連絡は弁護士宛にすることになり、依頼者の方に督促や直接の取り立てをすることが禁止されます。

債権者の取り立てがきつい場合には、自己破産依頼後、受任通知を早急に発送してくれる弁護士に依頼するといいでしょう。

自己破産の手続きにあたっては、弁護士に依頼したとしても、自分で様々な書類を集めたり、裁判所等へ出頭することが必要な場合もあります。

こうした作業について無駄なく効率的に依頼者に説明し誘導してくれる弁護士を選ぶと安心です。

そして、弁護士が依頼者の事案を踏まえた適切な破産申立書類を速やかに作成し、裁判所に提出することが重要です。

自己破産の対応が早い弁護士に依頼することで、自己破産手続きをスムーズに、できる限り短期間のうちに完了させることができます。


自己破産に強い弁護士の探し方


では、どうやって自己破産に強い弁護士を探せばよいでしょうか?
ここでは、自己破産に強い弁護士の探し方について紹介していきます。


知人の紹介で弁護士を探す



過去に弁護士を利用したことがある知人や友人にその弁護士を紹介してもらうと安心です。

知人や友人を通じて、その弁護士の対応や評判、人となりを聞けるので、予めどういった弁護士なのかを大まかにイメージしてから相談に行くことができますし、極端に対応の悪い弁護士に当たる心配もありません。

ただし、知人や友人に自分の借金のことを隠しておきたい場合などには、弁護士の紹介を頼みにくく、あまりおすすめできる探し方ではありません。


公共団体や弁護士会の無料相談会を利用する



市役所や弁護士会は弁護士による相談会を開催しています。そういったところで弁護士に相談してみるのもいいでしょう。
無料相談会であれば、お金をかけることなく弁護士に相談することができます。

しかし、こうした相談会では相談者一人の時間枠は短く、弁護士はそれらの相談を時間内に処理しなければいけないので、相談しても十分な回答が得られないかもしれません。

また、市役所などの無料相談会では、必ずしも担当の弁護士が自己破産に強い弁護士であるとは限りません。

そのため、市役所などの無料相談会では、相談に当たった弁護士が普段から自己破産を取り扱っているかについても確認してみるといいでしょう。


法テラスの無料相談を利用する



収入・資産が一定額以下などの条件を満たせば、法テラスで弁護士の無料相談を利用できます。

自己破産を考えている人は収入や貯金が少ない場合が多いので、各条件を満たしている可能性があります。

なお、法テラスを利用する場合は、法テラスと契約している弁護士にしか依頼ができません。


インターネットで弁護士を探す



インターネットで「自己破産 弁護士」などと検索すれば、たくさんの弁護士が見つかると思います。

検索でヒットした弁護士事務所のホームページで、得意分野について確認を行いましょう。
自己破産に強い弁護士事務所のホームページには、それに特化したページである場合もありますし、過去の解決実績などを掲載しているページもあります。

以下のような情報を確認しておけば、自己破産の手続きを任せてよいか、自己破産に強い弁護士かを判断できるでしょう。

【ホームページで確認すべき事項】
・ 無料相談に対応しているか
・ 自己破産・債務整理の解決実績
・ 弁護士の経歴や経験年数
・ 弁護士費用(分割払いの可否など)
・ 事務所の立地・対応エリア
・ 所属弁護士の人数
・ 自己破産についての記事の内容

借金問題の解決にはある程度の費用がかかるので、弁護士費用はしっかり確認しておきましょう。
また、経験年数の長い弁護士は自己破産の解決件数も多く、スムーズな対応を期待できます。

ただ、ホームページの内容だけで決めることは難しいので、気になった弁護士事務所を複数選んで、実際に自己破産の相談をしてみましょう。


弁護士と司法書士の違い


自己破産の相談に乗っている専門家は弁護士だけでなく司法書士もいます。
しかし、以下のとおり弁護士と司法書士では出来ることに違いがありますので、自己破産に強い弁護士に依頼することをおすすめします。


司法書士は書類作成代行であり、代理人にはなれない



自己破産を司法書士に依頼すると、代理人にはなれず、申立書類の作成のみ行ってもらうことになります。つまり、本人申立てと同じ扱いになります。

そのため、書類作成の手間は省けるものの、裁判所での手続きに出頭する場合には、司法書士は同席できず、本人ご自身が一人で対応しなければなりません。

管財事件であれば、債権者集会に本人だけで行くことになりますし、同時廃止であっても、口頭審査や免責審尋への出頭を求められた場合には、やはり本人だけで対応しなければなりません。


自己破産費用が総額で高くなるケースもある



安いと思っていた自己破産費用が、結果的に司法書士の方が高くなるケースもあります。

特に自己破産を管財事件で申し立てた場合は、管財人への引継予納金を用意する必要があります。

その際、弁護士が代理人となって申立てをしている場合と司法書士に申立書の作成を依頼した場合では、司法書士に依頼した場合の方が引継予納金が高くなる可能性があります。


自己破産に強い弁護士のまとめ


自己破産を考えたら、できる限り早く弁護士に相談することが望ましいでしょう。

日常生活で弁護士と関わることはないので、いざ弁護士に相談するとなると緊張してしまったり、相談するのに勇気がいるかもしれません。

しかし、最近はホームページで情報発信している弁護士事務所も多いので、ホームページの内容を見てから相談に行ってみるのもいいでしょう。

そして、自己破産によって借金生活から脱出するためには、自己破産に精通した弁護士に依頼することが理想的です。

自己破産に強い弁護士であるかはこの記事で解説したポイントに従って判断されるといいと思います。

弁護士事務所の無料相談を利用して、自己破産に強く、親身に相談に乗ってくれる弁護士に依頼することをおすすめします。

(記事更新日 2024.1.8)

この記事の監修者
弁護士 白川 謙三

弁護士 白川 謙三(大阪弁護士会所属)
大阪・北浜の平野町綜合法律事務所代表
弁護士21年目。債務整理、自己破産、個人再生、過払い金請求などの解決事例多数。
ご相談に真摯に耳を傾け、ご希望の沿った解決をサポートします。借金問題のご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

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