自己破産 ⇒学生時代の奨学金、生命保険外交員の営業経費により多額の債務を負う。母親を扶養し、返済が困難となる。

〈事案〉

(実際の事案を変更しています)

相談者は母子家庭で育ちましたが、奨学金約300万円を借りて大学を卒業しました。

大学卒業後は生命保険会社に就職し、研修を受けて、保険外交員として働き始めました。
しかし、思うように生命保険の契約が取れず、歩合給が少なかったため、相談者の給料は月15万円~20万円位に留まりました。他方で、営業のための電話代や交通費、顧客への接待交際費が増えたことから、相談者はキャッシングを利用して営業経費に充てるようになりました。

相談者は母親と同居していましたが、母親が体調を崩したため、パートを辞めることになりました。
相談者は母親との二人暮らしの生活費を捻出するため、クレジットカードのキャッシングやショッピング枠を利用して生活するようになり、カード残高が250万円まで膨らみました。

相談者は生命保険会社を辞め、派遣会社からデータ入力の事務職として働くようになりました。しかし、月収は20万円程度であり、相談者と母親との生活費を支出すれば、奨学金やクレジットカードの支払いができない状態になりました。

相談者は多額の借金を返済できる見込みがなかったため、自己破産の相談に来られました。

・債権者数          6社
・総債務額      約500万円
・財産       少額の預金のみ


〈結果〉

・自己破産の申立てにより免責決定
・【債務  約500万円 ⇒ 0円】
・破産申立てから免責までの期間  約3か月


〈弁護士の対応、解決のポイント〉

相談者は、学生時代の奨学金や保険外交員の営業経費のために借金が増えてしまいましたが、営業でも高額の飲食代などは使っておらず、浪費に当たるような支出はありませんでした。

また、破産をすると、生命保険募集人の資格を取り消される可能性がありますが、相談者は既に保険外交員の仕事を辞めていたため、自己破産することを選択しました。

相談者はなかなか収入が上がらない中、体調不良のため働けなかった母親との二人暮らしの生活費に充てるため、借金を増やしたものであり、やむを得ない事情があったことを丁寧に説明しました。

また、相談者は派遣社員として働きながら、正社員として安定した収入を得られる仕事を探していました。母親の体調も回復してきて、パートを再開できる状態になったことから、将来的には二人の家計収入は増える見込みでした。

そのため、相談者の借金さえなくなれば、親子二人の生活再建を図ることが可能な状態になりました。

相談者には少額の預金以外には財産はなかったことから、破産管財人が付かない同時廃止の手続きで破産が進められました。そして、相談者には浪費などの免責不許可事由もなかったことから、問題なく免責が認められました。


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