自己破産すると携帯電話はどうなる?分割払い・キャリア決済の注意点

自己破産を考え始めると、「スマホを取り上げられたら仕事も家族との連絡も困る」「準備中にキャリア決済を使ってしまったが大丈夫だろうか」といった不安が浮かぶ方は少なくありません。

先に結論をお伝えします。自己破産をしても、携帯電話が一切使えなくなるわけではありません。機種代を払い終えていて利用料金の滞納もなければ、そのまま使い続けられる場合がほとんどです。さらに、機種代の分割払いが残っていても、月々の支払いを滞りなく続けられていれば、実務上は使い続けられるケースが多くあります。

一方で、利用料金を滞納している場合や、準備中にキャリア決済を利用している場合は、手続きに影響することがあります。大切なのは「自分はどのケースに当たるか」を正しく知り、担当弁護士に相談することです。この記事では、携帯電話と自己破産の関係を状況別に整理し、注意点と対処法までやさしく解説します。

1.自己破産と携帯電話──まず「3種類の料金」で整理しよう

通信料金・機種代の分割払い・キャリア決済は別物です

携帯電話と自己破産の関係を理解するには、携帯料金が一種類ではないことを知っておく必要があります。毎月の携帯料金は、大きく次の3つから成り立っています。

  • 通話・通信料金:毎月の音声通話やデータ通信にかかる利用料
  • 機種代の分割払い:スマホ本体を24回払いなどで購入した残債
  • キャリア決済の代金:ゲーム課金やネット通販を携帯料金に合算して後払いした分

たとえば毎月1万2,000円を払っている方の明細が、「通信料5,000円+機種代分割4,500円+キャリア決済2,500円」のように合算されていることがあります。見た目は同じ引き落としでも、法律上の扱いはそれぞれ違います。この3つを切り離して考えることが、自分の状況を正しく把握する第一歩です。

どれが「借金(債務)」として扱われるのか

3つの料金は、法律上の性質が異なります。

通話・通信料金は、電気・ガス・水道と同じ「生活に欠かせない費用」として扱われます。自己破産の手続き中も、弁護士の指示のもとで払い続けることが認められており、これを払っても偏頗弁済(特定の債権者を優遇する違法な行為)にはなりません。

これに対して機種代の分割払いとキャリア決済の代金は、ローンやクレジットによる借金と同じ性質を持ちます。自己破産では、消費者金融や信販会社への借金と同様、原則として「破産債権」として手続きの対象になります。

ただし、この原則がそのまま当てはまるとは限りません。とくに機種代の分割払いについては、自己破産をしても、実務上分割払いを継続しているケースが多いです。次のセクションから、ケースごとに見ていきましょう。

2.自己破産しても携帯電話を使い続けられるケース

機種代をすでに完済している場合

機種代の支払いが終わっていて、毎月の通話・通信料も滞納なく払えていれば、自己破産をしても携帯電話をそのまま使い続けられます。携帯電話会社との間に未払いの債務がなく、契約を解除される理由がないからです。

たとえば、3年前に買ったスマホの分割払いが昨年完済し、いまは毎月の通話料だけを払っているという方は、この条件に当てはまります。手続きの後も、これまでどおりスマホを使い続けられます。

自己破産をすると、端末そのものが財産として差し押さえられないかと心配される方もいますが、処分の対象になる財産は原則として時価20万円以上に限られます。時価は購入価格ではなく中古市場での売却価格で判断されるため、1〜2年使ったスマホがこの基準を超えることは多くありません。高額な最新機種をお使いの場合は、念のため弁護士に確認しておくと安心です。

利用料金を滞納せず払い続けている場合

毎月の通話・通信料を滞納なく払い続けていれば、手続き後も継続利用が可能です。通話料は光熱費と同じ「生活に必要な費用」として扱われるからです。

「破産手続きが始まったらすべての支払いを止めなければならない」というのは誤解です。消費者金融などへの返済は止めますが、電気代・水道代・通話料といった生活費は払い続けて構いません。たとえば弁護士から「借入先への返済は止めてください」と言われても、毎月の通話料は別扱いです。

ポイントは「いま滞納があるかどうか」です。今月分まで払えていれば問題ありませんが、過去に払えていない月があると扱いが変わります。これは次の章で詳しく説明します。

下の表で、状況ごとの取り扱いを確認してください。

【表①】状況別:自己破産しても携帯電話を使い続けられる?

状況 使用の可否 補足
機種代完済・通話料の滞納なし ◎ そのまま使える 最も影響が少ない
機種代の分割払い残あり・月々継続中 △ 実務上は使えるケースが多い 弁護士・裁判所の取り扱いによる(3章)
通話料を滞納している × 強制解約の可能性が高い 受任通知後に解除されうる
キャリア決済の代金が未払い △〜× 状況による 弁護士への相談が必須(5章)

3.機種代の分割払いが残っている場合──正しい理解と注意点

実務では「ライフライン」の一つとして継続払いが認められている

「機種代の分割払いが残っていると必ず強制解約になる」と説明するサイトも多いですが、実務上はそれほど単純ではなく、月々の支払いを続けられていれば使い続けられるケースが多くあります。

まず原則を整理します。機種代の割賦代金は、法律上「破産債権」に当たります(破産法162条1項1号イ等)。そのため、弁護士に依頼した後も機種代を払い続けることは、特定の債権者を優遇する偏頗弁済に当たりうるのが原則です。

ところが現在の実務では、この原則を修正する考え方が広く採られています。根拠となるのが携帯電話は「ライフライン」であるとの考え方です。携帯電話はいまや電気・ガス・水道と並ぶライフラインであり、解約されると仕事や生活に重大な支障が出ます。光熱費が生活に必要な費用として手続き中の支払いを認められているのと同じように、通話料と一体で払われている機種代の継続払いも認められるべき、という考え方です。

この考えに基づき、毎月の通話料と機種代を滞りなく払えている場合は、弁護士が携帯電話会社へ受任通知を送らず、そのまま使い続けられるようにする取り扱いがあります。

ただし、この取り扱いを認めるかどうかは各裁判所の運用や弁護士の方針によって異なります。機種代の分割払いが残っている場合は、「受任後も払い続けていいか」を必ず担当弁護士に確認してください。

絶対にやってはいけない──残債の一括返済

「解約される前に機種代の残りを全部払ってしまおう」と考える方がいますが、これは避けてください。

▼ 残債の一括返済は「偏頗弁済」になります

特定の債権者にだけ優先して返済する行為は偏頗弁済(破産法252条1項3号)に当たります。これは免責不許可事由の一つで、発覚すると借金をゼロにしてもらう免責が認められなくなる恐れがあります。たとえば「解約が怖くて残りの8万円を一括で払った」というケースは、まさにこの問題に当たります。せっかく手続きをしたのに借金が残る、という事態になりかねません。

なお、本人ではなく親族などの第三者が立て替えて払う「第三者弁済」なら、偏頗弁済に当たらないとされる場合があります。ただしこの場合も、自己判断で動かず、必ず事前に弁護士へ相談してください。

※免責不許可事由(破産法252条1項)の条文はこちら⇒e-Gov法令検索「破産法」

通話料を滞納しているケースが強制解約の主な原因

機種代の残債とは別に、通話料・通信料を滞納している場合は扱いが大きく異なります。滞納分は破産債権として扱われ、弁護士から携帯電話会社へ受任通知が送られる対象になるからです。

受任通知を受け取った会社は、約款に従って通信契約を解除できます。たとえば3〜4か月にわたり通話料が払えていなかった場合、受任通知をきっかけに強制解約に至るケースがほとんどです。

ここでも「解約されたくないから滞納分だけ先に払おう」とするのは偏頗弁済の問題が生じます。滞納がある場合は自己判断で払わず、まず弁護士に正直に伝えて対処法を確認してください。

4.端末は没収・回収されるのか?

キャリアで直接購入した場合は没収されないことが多い

「機種代のローンが残っているスマホは取り上げられる」と聞いたことがある方もいるでしょう。結論から言うと、端末を誰から・どのような形で買ったかによって扱いが分かれます。

まず、主要キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク等)から端末を直接、分割(割賦)で購入した場合です。各社の約款を見ると、いずれも「商品の引き渡しが完了した時点で所有権が契約者に移る」と定められています。つまり、ローンが残っていても、スマホはすでにあなたの所有物です。ローン会社が商品を回収できるのは引き渡し後も所有権を留保している場合ですが、主要キャリアでは受け取った時点で所有権が移っているため、回収する法的根拠がありません。たとえば、ドコモで24回払いの残金がある状態で自己破産をしても、ドコモが端末そのものを物理的に没収しに来ることは、現在の契約ではほぼ考えにくいといえます。

信販会社のローンで購入した場合は返還を求められることがある

注意したいのは、端末を「信販会社(ショッピングクレジット)」のローンで購入したケースです。家電量販店などで「分割払い」を選び、別の信販会社が代金を立て替えている場合がこれに当たります。

▼ 信販会社の「所有権留保」に注意

この場合、立替金を完済するまで端末の所有権が信販会社に留保されるのが通常です(所有権留保)。自己破産をするとローン残債は破産債権として扱われますが、所有権を持つ信販会社が、その所有権に基づいて端末の返還を求めてくることがあります。たとえば、量販店でショッピングクレジットを使って10万円のスマホを買い、残債がある状態で自己破産をした場合、信販会社から「端末を返してほしい」と引き上げ(返還請求)を受ける可能性があるのです。

ただし、必ず返還を求められるわけではありません。引き上げるかどうかは信販会社の判断により、中古価値が低い端末は回収しないこともあります。なお、所有権留保のついた端末を勝手に売却・処分すると、換金行為とみなされたり損害賠償を求められたりするおそれがあるため、絶対にやめてください。自分の端末がキャリア直接の購入か、信販会社のローンかが分からない場合は、契約書を確認し、担当弁護士に相談しましょう。

20万円の時価基準と「赤ロム」

機種代のローンは完済していても、自己破産をすると、端末そのものが財産として差し押さえられないかと心配される方もいらっしゃいます。

しかし、自己破産で処分の対象になるのは、時価20万円以上の財産です。最近のスマホは高額化していますが、時価は中古市場での売却価格で判断されます。購入から1〜2年たったスマホの中古価格は大きく下がっていることが多く、20万円を超えることはそう多くありません。高額な最新モデルをお使いなら、弁護士に時価の目安を確認しておくと安心です。

一方、機種代を滞納すると、携帯電話会社からネットワーク利用制限がかけられ、端末が通信できなくなることがあります。これは俗に「赤ロム」と呼ばれる状態で、物理的な没収ではなくネットワーク上の制限です。なお、免責が確定した後にこの制限が解除されるケースもあるとされています。赤ロムになってしまった場合も、担当弁護士に相談してみてください。

5.破産準備中にキャリア決済を使うとどうなる?

キャリア決済はなぜ「借金」と同じ扱いになるのか

キャリア決済は、ゲーム課金やネット通販の代金を携帯電話会社が立て替え、翌月の携帯料金と合算して後払いする仕組みです。審査なしで気軽に使えますが、法的にはクレジットカードの後払いとほぼ同じ性質です。

利用した時点で代金が確定し、後日に支払い義務が生じます。そのため未払いの代金は、携帯電話会社に対する債務、つまり借金として扱われます。自己破産では消費者金融などへの借金と同じく破産債権になります。

「通話料と一緒に引き落とされているから同じ扱いになる」と思う方もいますが、そうではありません。通話料は生活費として継続払いが認められますが、キャリア決済の立て替え代金はそうではありません。準備中にキャリア決済を使っていた場合は、担当弁護士に必ず正直に申告してください。

免責不許可事由・詐欺になりうる3つのパターン

準備中や手続き中にキャリア決済を使うと、次の3つのリスクが生じます。いずれも「手続きをしても借金がゼロにならない」という最悪の結果につながりかねません。

① 免責不許可事由になるリスク

弁護士に依頼した後にキャリア決済で高額なゲーム課金を繰り返した場合、「払う見込みがないのに利用した」とみなされ、免責不許可事由(浪費など)に当たる可能性があります。たとえば受任後に数万円を課金したケースは、免責が認められないリスクがあります。

② 詐欺として訴えられるリスク

代金を払わないまま自己破産を申し立てると、「最初から払うつもりがなかった」と判断され、携帯電話会社から詐欺として責任を追及される可能性があります。とくに受任後の利用で問題になりやすい点です。

③ 偏頗弁済のリスク

「キャリア決済の代金だけ先に払おう」と優先して払うと、これも偏頗弁済になり、免責不許可事由となる恐れがあります。迷ったら自己判断せず、必ず弁護士に確認してください。

キャリア決済の「現金化」はとくに危険

キャリア決済で商品券やギフトカードを買い、それを換金業者に売って現金を得る「現金化」は、とりわけ深刻なリスクがあります。

たとえば「お金がないのでキャリア決済で3万円分のギフト券を買い、換金業者に2万5,000円で売った」というケースです。これは「払う意思なく商品を取得して換金した」とみなされ、免責不許可事由に当たる可能性が非常に高くなります。悪質と判断されれば詐欺罪に問われるおそれもあります。自己破産を考え始めた段階から、現金化は絶対に行わないでください。

手続き中にどうしてもキャッシュレス決済が必要なら、口座残高の範囲で即時決済されるデビットカードや、現金チャージ式のPayPayなどが代替手段になります。ただし、これらも使う前に担当弁護士に確認することをおすすめします。

6.【フェーズ別チェック表】今の自分はどう動けばいい?

自己破産は、弁護士への相談から免責確定までいくつかの段階を経ます。「いま自分はどの段階で、何をしていいのか・いけないのか」を知ることが、手続きを滞りなく進めるコツです。段階ごとに整理しました。

【表②】フェーズ別:携帯電話に関する行動チェック表

フェーズ やっていいこと やってはいけないこと
弁護士に相談する前 通話料の継続払い・弁護士への相談 キャリア決済の大量利用・現金化
弁護士受任後(申立前) 通話料+機種代の月々継続払い(弁護士の確認のもと) 機種代の一括返済・キャリア決済の新規利用
申立後〜免責前 通話料の継続払い・格安SIMの検討 新たなローン・クレジット利用
免責確定後 新規回線契約・端末の一括購入 端末の分割払い(信用情報の回復まで)

弁護士に相談する前の段階

弁護士にまだ相談していない段階では、携帯電話の使い方は基本的にこれまでどおりで構いません。毎月の通話料は引き続き払ってください。

この段階で気をつけたいのはキャリア決済です。返済が苦しい状態で多額に使い続けると、後の手続きで「払う見込みがないのに利用した」とみなされるおそれがあります。依頼前にキャリア決済を使っていても、その代金を払い終えていれば基本的に問題ありません。代金が残っている場合は、相談時に正直に伝えて指示を仰いでください。また、機種代の分割払いを自己判断で止めると滞納になり強制解約のリスクが出るため、止めずに弁護士へ相談しましょう。

弁護士受任後(申立前)の段階

弁護士に依頼すると、各債権者への返済が原則として止まります。この段階では2点に注意してください。

1つ目は、キャリア決済の新規利用を控えることです。受任後に使うと、前述の免責不許可事由や詐欺のリスクが生じます。キャッシュレス決済が必要なら、弁護士に相談のうえデビットカードやチャージ式PayPayなど後払いにならない手段へ切り替えましょう。

2つ目は、機種代の分割払いの扱いを弁護士に確認することです。ライフラインの一つとして機種代の継続払いを認める弁護士は多いですが、事務所や裁判所の運用によって異なります。受任後すぐに「機種代はどうすればいいか」を確認してください。自己判断で止めたり一括で払ったりするのは避けましょう。

申立後・免責確定後の段階

申立て後も、毎月の通話料は払い続けられます。もし手続き中に携帯が使えなくなった場合は、格安SIM(MVNO)やプリペイドSIMへの切り替えを検討しましょう。

免責が確定すると状況は大きく変わります。TCA(電気通信事業者協会)に登録されていた不払い情報が削除され、新しいキャリアで回線契約ができるようになります。端末も、SIMフリーの中古スマホを一括で買うなどの方法で手に入ります。「もう二度と携帯を持てない」という心配は不要です。

7.携帯が強制解約された場合の対処法

TCA・TELESAとは?携帯ブラックの仕組みと免責後の回復

通話料の滞納などで携帯電話が強制解約されると、TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)やTELESA(一般社団法人テレコムサービス協会)に「不払い者情報」として登録されます。これがいわゆる「携帯ブラック」です。

携帯ブラックになると、解約されたキャリアでの再契約はもちろん、他社での新規契約も難しくなります。各社がTCA・TELESAを通じて情報を共有しているからです。たとえばソフトバンクで強制解約になると、auやドコモでも審査に通りにくくなります。

▼ 免責が確定すれば、また携帯を持てます

TCAの規約では「自己破産等により免責が決定している方」は情報共有の対象から外れるとされています。つまり免責が確定すれば携帯ブラックの情報が削除され、他社での新規契約が可能になります。よって、一旦強制解約になっても、自己破産の手続きが終われば、再びスマホを持てます。手続きの完了が再スタートの日になると考えてください。

TCAの不払者情報交換のページでは、自己破産等により免責が決定している方は、不払者情報の交換対象に含まれないとされています。そのため、免責が確定すれば、事業者間で共有される不払者情報はいずれ抹消され、他社で新規契約しやすくなります。

ただし、抹消は免責確定と同時ではなく、債権者である携帯電話会社を通じて情報が反映されるまで数か月程度かかるとされています。また、滞納していた携帯電話会社やそのグループ会社では、独自の記録が残り、契約を断られる場合があります。

外部リンク:TCA(一般社団法人電気通信事業者協会)公式サイト

格安SIM・プリペイドSIM・レンタル携帯で手続き中を乗り切る

解約された場合や、免責確定を待つ間に連絡手段が必要な場合の選択肢を紹介します。

  • 格安SIM(MVNO):IIJmioやmineoなどのMVNOは、大手キャリアと審査基準が異なる場合があります。SIMフリーの中古スマホを一括で買い、格安SIMを契約する方法なら、費用を抑えつつ通話・通信を確保できます。
  • プリペイドSIM・プリペイドスマホ:審査不要で買え、使った分だけ支払うためコストを抑えられます。「今すぐ連絡手段が欲しい」というときに手軽です。
  • MNP(番号そのまま乗り換え):いまの電話番号を別の会社へ引き継げる制度です。ただし強制解約が確定する前に使うことが重要で、解約後は番号を引き継げません。仕事でその番号を使っている方は、早めに弁護士へ相談してMNPを検討してください。

8.自己破産後の新規契約・よくある疑問

回線契約と端末の分割払いは審査基準がまったく違う

自己破産後に携帯を新しく契約する際、「回線の契約」と「端末の分割購入」では審査の仕組みが異なります。混同すると「自己破産後はスマホを持てない」と誤解しがちなので、区別しておきましょう。

回線契約は、TCA・TELESAの不払い情報が免責確定後に削除されるため、原則として新規契約が可能になります。ただし、過去に滞納して強制解約になったキャリアでは独自の顧客情報に記録が残り、再契約を断られることがあります。その場合は別のキャリアや格安SIMに申し込むのが現実的です。

端末の分割払いは、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に自己破産の情報が登録されるため、免責確定後も5〜7年程度は審査に通りにくい状態が続きます。端末を入手するには、SIMフリーの中古スマホを現金一括で買うか、一括払い対応の格安スマホを選ぶのが現実的です。

家族の携帯・ペイアプリへの影響は?

家族の携帯電話について、自己破産の影響は原則として本人名義の契約にのみ及びます。配偶者や子どもの名義の携帯には影響しません。弁護士の受任通知は本人の契約先に届き、家族の契約先には届かないため、「家族の携帯会社に知られる」という心配は原則として不要です。ただし、本人が家族の携帯料金の連帯保証人になっている場合は影響することがあるため、念のため弁護士に確認しましょう。

PayPayやLINE Payなどのペイアプリは、支払い方法で扱いが変わります。現金をチャージして使うプリペイド機能は手続き中も使えますが、クレジットカードや後払いとの連携は停止されます。なお、多額の現金をアプリにチャージしたまま持っていると財産の隠匿とみなされるおそれがあるため、適切な範囲で使い、不安なときは弁護士に確認してください。

まとめ

自己破産をしても、携帯電話が一切使えなくなるわけではありません。機種代が完済していて通話料の滞納もなければそのまま使えますし、分割払いが残っていても月々の支払いを続けられていれば、実務上は使い続けられるケースが多くあります。

一方で、通話料の滞納や、準備中のキャリア決済の多額利用・現金化は、強制解約や免責不許可事由という重大なリスクをもたらします。「自分の状況はどのケースか」を把握し、一人で判断せず弁護士に正直に相談することが何より大切です。

借金の問題は、一人で抱えている間が最もつらいものです。携帯電話のことを含め、生活への影響に不安があれば、まずは自己破産に詳しい弁護士の無料相談から始めてみてください。自己破産は人生の終わりではなく、生活を立て直すための制度です。一歩を踏み出せば、前に進む道は必ず開けます。

(記事公開日 2026.6.22)

この記事の監修者
弁護士 白川謙三

弁護士 白川 謙三(大阪弁護士会所属)

大阪・北浜の平野町綜合法律事務所代表

弁護士23年目。債務整理、自己破産、個人再生、過払い金請求などの解決事例多数。ご相談に真摯に耳を傾け、ご希望の沿った解決をサポートします。借金問題のご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問合せください。

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